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FTS The Football Style Club
LIFE 001 · FOUNDER STORYFTS ORIGINAL

FOOTBALL LIFE

なぜ、FTSなのか。

Footballは、ずっと自分の中にあった。

空の下に広がるFootballのグラウンド

A FOOTBALL LIFE · FTS ARCHIVE

最初は、ただFootballが好きだった。

Footballの何が好きなのか。そう聞かれると、意外とうまく答えられない。

ゴールが決まった瞬間の興奮はもちろん好きだ。でも、それだけじゃない。試合が始まる前の空気。ボールを蹴る音。芝や土の匂い。スペシャルな選手とDFが1対1になった瞬間、どうやって止めるんだろうと考える。

身体を当てるのか。コースを切るのか。それとも、あえて行かせて奪うのか。点差が違えばプレーも変わる。残り時間が違えば判断も変わる。同じ22人で試合をしても、二度と同じゲームにはならない。

理屈はいろいろあるけれど、原点はもっと単純なのだと思う。僕は、Footballそのものが好きなのだ。

1986。マラドーナになった。

初めて強烈に記憶に残っているワールドカップは、1986年のメキシコ大会だった。メキシコがどこにあるのかも、よく分かっていなかったと思う。でも、テレビの向こう側に、とんでもない人がいた。

ディエゴ・マラドーナ。5人抜き。神の手。そしてアルゼンチンは世界一になった。ブルチャガのことも覚えている。あの大会には、子どもだった自分には理解できないほどの熱があった。完全に飲み込まれた。

その瞬間の僕は、
マラドーナになっていた。

もちろん、全然マラドーナのようにはできなかったけれど(笑)。

やがて、自分はマラドーナにはなれないということに気づく。そして、その後好きになった選手がマルディーニだった。ずいぶんポジションが下がった(笑)。

奪うことから、Footballは始まる。

中学ではFWだった。高校に入ってからはDFになり、その後ボランチもやった。ボランチは面白かった。守ることもできるし、攻撃にも参加できる。

僕は、ただボールを跳ね返す守備にはあまり魅力を感じなかった。相手との距離。身体の向き。どちらへ追い込むか。いつ仕掛けるか。駆け引きをして、狙ったところでボールを奪う。そして、奪った瞬間から攻撃を始める。

マルディーニの技術、駆け引き、身体能力に憧れた。でも一番好きだったのは、華麗にボールを奪い、それを次の攻撃へつなげていく姿だったのだと思う。

あと一回。あと少し。

大人になった今でも、仕事や人生で苦しいとき、突然高校時代のシャトルランを思い出すことがある。もうきつい。脚も動かない。やめたい。でも、あと一回。あと少し。

ピッチ脇の足元

あと一回。
あと少し。
身体のどこかに、あの感覚が残っている。

多分、ピンチのときに出てくるのだと思う。FootballのDNAみたいなものが。

選手時代、自分のちょっとしたミスで大事な試合に負けたことがある。落ち込んだ。その日は仲間と酒を飲んで、散々管を巻いた。自分には足りない。向いていないんじゃないか。そんなことを考えた。

翌朝になったって、別に立ち直ってはいなかった。傷は残っている。それでも、練習には行った。

ワールドカップの裏側を映した映像を見ると、今でも心が震える。同じ目標を信じる仲間。勝利へ向かう心。負けを認める心。そして、それでも次へ向かおうとする意思。僕はピッチの上で起きていることだけでなく、その奥にある選手の心まで想像してしまう。

Footballが遠くなった。

結婚して、子どもが生まれた。仕事もだんだん忙しくなっていった。気がつけば、自分でFootballをすることはほとんどなくなった。そして、あれほど好きだったFootballを見ることさえ減っていった。

嫌いになったわけではない。何かを決意して離れたわけでもない。ただ人生には、そういう時期がある。

RETURN TO THE GROUND

グラウンドに戻ってきた。

広いグラウンドと空。遠くに小さく練習の風景。個人は特定できない。
RETURN TO THE GROUND / FTS ARCHIVE

Footballがもう一度生活の中に入ってきたのは、息子が興味を持ち始めたころだった。まあ、少し僕が誘導したところもあるのだけれど(笑)。息子は立ち上がったばかりのクラブチームに入った。そして僕も、コーチとして関わることになった。

久しぶりにピッチのそばに立った。ボールの音がする。子どもたちの声がする。芝がある。そのとき感じたのは、グラウンドに戻ってきた。という感覚だった。

今度は選手ではない。子どもたちを見る側だった。厳しく接したこともある。でも、できるだけ前を向けるように関わったつもりだ。そのチームの一期生は、初めて関東大会まで進んだ。まあまあの快挙だったと思う。

ピッチ脇の足元と白いライン。個人は特定できない。
息子との濃密な8年間をもらった。FTS ARCHIVE

Footballは、まだそばにいる。

今、息子は僕が何かを教える時期から、周りの人たちに育ててもらう時期へ入った。僕も少し離れて見守る番になった。そして今度は、娘のダンスを応援する。

人生の中心にあるものは、少しずつ変わっていく。それでもFootballは、まだそばにある。

ひと段落したら、またコーチをやってみたい。子どもたちが成長していく姿を見ながら、Footballに囲まれて歳を取っていけたらいい。できるかどうか分からないけれど、また少し、ボールも蹴りたい。気の置けない仲間と。

Footballをすることの興奮を。

EPILOGUE

だから、THE FOOTBALL STYLE CLUBをつくる。

人生の中で、Footballとの距離は変わる。毎日ボールを蹴っていた人が、まったく蹴らなくなることもある。スタジアムへ行く人もいる。子どもの試合を毎週見ている人もいる。コーチになる人もいる。昔の仲間と、Footballの話だけは何十年経っても続いている人もいる。

全部、それぞれのFootballだと思う。

だからTHE FOOTBALL STYLE CLUBは、
Footballをもう一度始めさせる場所ではない。

プレーしなくてもいい。毎週試合を見なくてもいい。昔の写真を残すことでもいい。自分とFootballの話を書くことでもいい。誰かのFootball Lifeを読むことでもいい。

Footballが人生のどこかに残っているなら、それでいい。

大人になって少し遠ざかってしまった

「夢中」と、
もう一度出会える場所。

夢中に勝るものはないらしいよ(笑)。

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